日々思いついた疑問を解消します
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薬物中毒の友人が、ぽつりと呟いた。
「塗り薬って不思議よね…」
彼女の頬は紅潮していて、その唇はかすかに震えていた。
彼女がなにを不思議に思ったのか皆目わからなかったが、僕は、彼女の言葉に含まれていた、心臓をきゅっと収縮させるような、なつかしい誘惑の匂いを敏感に感じ取った。
しばらくの静寂の後、彼女は再び唇を開いた。
飲み薬に効果があるのは分かるのよ。
飲んだら適当に消化されて、腸で血液に吸収されるんでしょ?
血液に吸収されたら体中に薬の成分がいきわたるわけよね。
でも、塗り薬って皮膚に塗るだけじゃない?
ヘロインを手のひらにのっけても気持ちよくはなれないわ。
続けざまに言い放って、彼女は僕の目を覗きこんだ。
そして、僕の目に狼狽の色を見つけて、にっこりと微笑んだのだった。
皮膚を通した吸収を経皮吸収と言う。
皮膚に塗布した塗布剤は、汗などに溶けて、
[1] 経毛嚢ルート(毛穴から)
[2] 経表皮ルート(エクリン腺(汗腺の一)から?)
いずれかのルートを経て、真皮の毛細血管へ浸透する。
しかし、皮膚は、吸収よりもむしろ排泄・分泌がその機能の主であり、角質層や汗・皮脂によって水を含む分子の交換は限定的で、なにかの物質を吸収させるには、エタノールやグリセリンなどの溶媒に溶かして塗布する必要がある。
角質層などのない粘膜や傷口であれば、より吸収がされやすいのだろう。
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